本研究では,細胞を生きたまま導入できる多孔性のハイドロゲル材料を作製するための新規手法を開発したほか,コラーゲンなどのタンパク質成分からなる細胞培養用基材に対して微細加工を施すことによって,導入する肝細胞の機能や生存率を向上できることを明らかにした。また,酸素や栄養分の供給を向上するための潅流培養プロセス,またそれを実現するためのマイクロ流体デバイスの開発を行った。これらの結果を通して,生体において肝細胞を取り囲む環境を,生体外において再現するための技術を駆使することの重要性を示すことができた。本研究において得られた結果は,特に肝細胞をベースとする創薬研究に適用可能であると考えられる。
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