我々は、酸素透過性シリコーンゴムを用いて培養器を作製し、ここで上皮系細胞と間葉系細胞を培養すると、培養3日間のうちに毛包原基が形成されることを示してきた。本研究では、この毛包原基形成およびその後の毛幹形成メカニズムの解析を目的とした。毛包原基形成には、上皮系と間葉系細胞に発現するカドヘリンの種類の違いが関与した。また、毛幹構造の形成には様々なシグナル因子が関与した。毛幹は培養23日目には200μmに達したが、形成効率は1%以下であった(a few/300 HFGs)。本研究で得られた知見から培養条件を最適化したところ、これが90% (275/300 HFGs)以上に向上した。
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