種々のペプチド脂質を合成し、細胞毒性を検討したところペプチド脂質16-E4Yが皮膚ガン由来であるA431細胞に対して選択的な毒性を示した。A431細胞はチロシンキナーゼを細胞内で多く発現していることから、チロシンキナーゼ活性量と16-E4Yの細胞毒性に相関関係があることが示唆された。細胞破砕液の分析により16-E4Yは細胞内に取り込まれリン酸化されていることが判明した。他の検討から16-E4Y と比べ16-E4pYの方が自己組織化しやすいことが示された。以上より、ペプチド脂質16-E4Yは細胞に取り込まれリン酸化されることで、細胞内で自己組織化体を形成し、A431細胞を死滅させたと考えられる。
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