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2020 年度 実施状況報告書

歯表面で歯医者自身が直接構築できる微細パターンによる歯周病治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K18984
研究機関北海道大学

研究代表者

赤坂 司  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (00360917)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2022-03-31
キーワードナノインプリント / 歯根膜再生 / マイクロ・ナノパターン / エッチングマスク / アパタイトパターン / コラーゲンパターン
研究実績の概要

●研究の目的:長期目標は「次世代ナノテク歯科治療による歯周病治療の開発」である。本課題内では、歯の表面にマイクロ・ナノパターンを直接構築できるパターン化法を探索し、細胞培養や動物実験でパターン化の効果の足がかりを見出す。その際、正常な歯周組織が持つ立体構造再生を目指し、歯科材料や歯自身の加工により超立体微細パターン種をデザインしたい。
●実施計画:本年度は、①歯表面への滑らかなアパタイトパターン転写法開発、②アパタイトコートガラスや象牙質を用いたエッチングによるパターン化の可能性、③コラーゲンの配向のためのパターンデザインに、焦点を絞り検討した。
●研究の成果:
①歯表面へのアパタイトパターン転写法:歯表面への表面が滑らかなアパタイトパターンコートを検討した。パターンフィルムに対し薄層アパタイトをコートし、一方で転写表面にコンポジットレジンを塗布した。先に得たアパタイトフィルムを被せ光照射することにより硬化転写させ、滑らかなアパタイトパターンを得ることができた。
②エッチングによるパターン化の可能性:エッチングによるパターン化条件をさらに検討した。マスクの押当圧力、エッチング時間、酸の強さなどをアパタイトコートガラスや象牙質を用いて検討したところ、いずれも満足いく結果は得られなかった。濡れ性が高く酸が広がることなどが原因と考えられる。
③コラーゲン配向のためのパターン:パターンによるコラーゲン線維の3次元配向を目指し、パターン上でのヒト歯根膜線維芽細胞の培養の結果、幅10~5μm、深さ10μmぐらいのグルーブ構造または、直線状に並んだピラー構造が、太い配向コラーゲン線維の産生に有効であった。パターンによる細胞の移動方向制御と強く関連していると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ渦による研究以外の活動により、単純に研究活動に分担できる時間が減ってしまったため。しかしながら研究内容に関する計画は、研究時間減少以外は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在残されている計画を確実に実施する。ナノインプリント法でのパターン化では、コラーゲン傾斜組成型パターンおよび滑らかなアパタイトパターンの改良を検討し、骨芽細胞や歯根膜細胞にて細胞培養評価(石灰化・コラーゲン線維化)を行いたい。また、エッチング法では、エッチングマスクとレーザーを用いたパターニングの可能性を検討したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ関連で他の仕事に時間をとられたため、計画が延滞した。そのため、研究期間の延長と次年度への助成金の繰り越しを申請し認めていただいた。また、次年度使用の助成金は培養消耗品ですべて使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Surface modification of tooth by nanoimprinting and cell response2020

    • 著者名/発表者名
      Tsukasa Akasaka
    • 雑誌名

      Journal of the Japan Society for Abrasive Technology

      巻: 64 ページ: 614-617

  • [学会発表] マイクロ・ナノパターンが骨系細胞に与える影響について2021

    • 著者名/発表者名
      沼本真一郎,赤坂 司,吉田靖弘,横山敦郎
    • 学会等名
      第33回代用臓器・再生医学研究会総会
  • [学会発表] 破骨細胞分化誘導へのマイクロ・ナノパターンの影響2020

    • 著者名/発表者名
      赤坂 司,玉井美保,吉田靖弘
    • 学会等名
      第75回日本歯科理工学会学術講演会
  • [学会発表] いろいろなマイクロ・ナノパターンの細胞培養への応用2020

    • 著者名/発表者名
      赤坂 司
    • 学会等名
      北海道ダイバーシティ研究環境推進ネットワーク

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公開日: 2022-12-28  

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