研究課題
●研究の目的:長期目標は「次世代ナノテク歯科治療による歯周病治療の開発」である。本課題内では、歯の表面にマイクロ・ナノパターンを直接構築できるパターン化法を探索し、細胞培養や動物実験でパターン化の効果の足がかりを見出す。その際、正常な歯周組織が持つ立体構造再生を目指し、歯科材料や歯自身の加工により超立体微細パターン種をデザインしたい。●実施計画:本年度は、①滑らかなアパタイトパターン作製法の改良、②エッチングマスクとレーザーを用いたパターニングの可能性、③超微細3Dプリントによるコラーゲン配向デザインの検討に焦点を絞り検討した。●研究の成果:①滑らかなアパタイトパターン:パターン化ポリジメチルシロキサン(PDMS)に対し、プラズマ処理にて表面を親水化した。その後、疑似体液へ浸漬し十分量のアパタイトを析出させた。次に、接着剤やテープにて固定し、PDMSからアパタイトを剥離することにより、形状を精度よく転写したアパタイトパターンを得ることができた。②エッチングマスクとレーザーを用いたパターニングの可能性:象牙質スライス上へ、エッチングマスクとしてTEMグリッドを置き、レーザー加工機にてレーザー照射した。しかしながら、焦げが強く、明白なパターン形成には至らなかった。③超微細3Dプリントパターン:高さ150~200μm、直径100μm程度の羽付きピラー構造をCADにて数種デザインし、超精細3Dプリンターにて出力した。得られた出力物をモールドとして用いCOPフィルムへ転写した。その後、ヒト歯根膜線維芽細胞を培養したところ、一部の細胞が羽方向へ配向し、羽を形成したことによる効果向上が認められた。細胞の接着が弱く剥がれる部分もあり観察自体が不十分であったが、フィブロネクチンコートすることにより細部接着や配向が改善された。これらは、効果的なパターンデザイン開発に繋がる結果と考えられる。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)
Nano Research
巻: - ページ: -
10.1007/s12274-021-4026-3
日本歯科理工学会誌
巻: 40 ページ: 31-31