研究課題
界面レーザー捕捉結晶化法では,光圧と微小物体の相互作用により集光点での局所的濃度上昇・高濃度液滴形成を誘起し,不飽和溶液からもたった一つの結晶を集光点からリアルタイムかつ短時間にその場で形成可能であり,結晶化の学理を研究可能な手法としても,実践的結晶化法としても高いポテンシャルを秘めている。しかし,動的な界面である開放系の気液界面に高強度レーザー光を照射して分子クラスターを捕捉する必要があり技術的に難しい。本研究は,これらの問題を解決する方策としてマイクロ流路中での固体基板へのレーザー照射による光熱変換で安定なマイクロバブルを形成し,このバブル界面でのレーザー捕捉により高濃度領域を形成し,ここへ外部摂動レーザー光を照射して分子配向を制御する事で,in-situかつリアルタイムなレーザー捕捉タンパク質結晶化を実現することを目指した。昨年度はコロナ渦のために予定していた学会参加が行えなくなり予算残額が生じ,予算使用に遅れが生じたため1年の使用延長を行った。この期間を利用しこれまでに得られていたフェムト~ナノ秒のパルスレーザーとCWレーザーを組み合わせた結晶化,2本の偏光レーザー間の相対偏光角,偏光レーザー光の照射周波数や照射間隔,および流路中における結晶化挙動に関するデータの解析や評価,詳細な考察を行うことが出来た。また,関連研究の文献調査についても十分行うことが出来た。これらの結果を学会等で報告するとともに複数の論文として投稿準備を進めている。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
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