本研究では、シリコンナノワイヤ(SiNWs)に堆積させた原子スケール被覆絶縁層中の固定電荷に着目し、コアシェル構造SiNWsの熱電変換特性の大幅な向上を目指した。 QSCV計測の結果、ワイヤの被覆絶縁層に採用したAl2O3は-9.82×1011 cm-2の固定電荷密度を有していることがわかり、同被膜によってp-SiNWの表面にホール蓄積層を誘起できることがわかった。一方、開発したシリコンナノワイヤを埋め込んだマイクロ発電デバイスでは、不純物拡散濃度の影響により、常温付近では大きな出力因子を得ることが困難であった。今後、不純物濃度を高めるとともに、より広い温度領域において評価する必要がある。
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