本研究では,大量数のリンパ球の中から,目的とする細胞のみを捕捉,捕捉細胞の機能評価,目的細胞の回収を,迅速で簡便に達成できるデバイスの開発を行った.これまでの方法では,細胞を蛍光分子で標識して識別しフローサイトメーターを用いて分離していた.しかし,これは高額であるとともに有用な細胞を蛍光標識しなければならない.本法は,ラベル化の必要なく有用細胞を識別,回収することができるため,回収後の細胞培養による抗体の取得が可能となり,患者の抗体検査だけでなく,次世代の抗体医薬開発に貢献できる可能性を秘めている.
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