本研究の目的は、蛍石型構造強誘電体について、厚膜化と圧電特性の向上により圧電MEMSへの応用を開拓することである。(111)ITO//(111)YSZおよびITO/Pt/Si基板上に膜厚約1μmまでのYドープHfO2膜を作製し、強誘電相の作成に成功した。また、得られた強誘電性に大きな膜厚依存性は認められなかった。(100)ITO//(100)YSZおよび(100)ITO//(100)YSZ/(100)Si基板上には、ほぼ{100}に単一配向したエピタキシャル膜が作製できた。得られた膜の圧電性は最大3pm/Vであった。室温合成でも、膜厚が1ミクロンの膜でも強誘電性を確認した。
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