走査トンネル顕微鏡による分光イメージングは、超伝導体に形成されるボルテックスを数テスラといった高磁場で実空間可視化できるほぼ唯一の手段である。しかし、非平衡ボルテックス系に展開するためには1回の測定にかかる時間を短縮する必要があり、測定データに侵入する振動ノイズを除去する新しい方法が望まれる。われわれは、独立成分分析を利用して分光イメージングデータから特徴量を抽出し、空間的な相関の有無によって信号とノイズを分離する方法を提案した。これとあわせて、マルチパスモードを利用したイメージングの高速化も行った。
|