研究課題/領域番号 |
18K19051
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
並河 英紀 山形大学, 理学部, 教授 (30372262)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 非平衡 / アルツハイマー / アミロイドβ / 神経変性疾患 / アミロイドーシス / メカノケミストリー |
研究成果の概要 |
本研究では、「流動=機械的仕事」と捉えるメカノケミストリー(超分子・高分子系)およびメカノバイオロジー(細胞・組織)を、「流動=熱力学的仕事」と捉える非平衡自己組織化の学問と融合し、流動による機械的・熱力学的作用が「分子⇒分子集合体⇒生命システム機能」へと時空間的に伝播する現象を包括的にとらえる学問分野「メカノモレキュラーサイエンス」を開拓することを目的に行った。その目的へ向け、特にAβペプチドの非平衡自己組織化への流動作用と神経疾患との関係について検証を行った。その結果、開放系流動が作用することにより、Aβペプチド分子同士のクラスター化ならびに組織化が促進されることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
非平衡分子科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本での認知症患者数は予備軍も含め1000万人弱にも上ると言われている。その中で最も多いアミロイドーシス(神経変性疾患)であるアルツハイマー病は、アミロイドβペプチド(Aβ)の神経細胞膜上での線維化・沈着が関与している。超高齢化社会を迎える現代社会において、神経変性疾患の発現機構の全貌解明と予防・治療法の開発は地球規模での喫緊の課題としてとらえられている。そのためAβの神経細胞膜上での線維化・沈着に関しては世界中で多くの研究が行われているが、そのほぼすべてが、生命システムの本質である非平衡開放系条件を無視したものである。本研究は、その本質に焦点を当て、Aβの新しい毒性制御機構を発見した。
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