円偏光発光(CPL)は3Dディスプレイだけでなく、セキュリティペイントや光通信を含む高度光情報プロセシングへの展開が期待されている。しかしながら、これらに必要な近赤外領域でのCPLの報告例は皆無である。本研究では非平面型ジピロメテン誘導体を用いて安定にキラル保持が可能な亜鉛錯体を合成し、円二色性吸収 (CD) およびCPL の各種測定を行った。異方性因子は赤色および近赤外の領域において、gabs : 0.22およびglum: 0.022を達成した。報告されている近赤外領域での有機低分子系のglumとしては最高値を示す結果が得られた。
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