高い反応性を示す中間体には、その構造・物性・反応性について、今日でもよくわかっていないものが数多く存在します。その中で、特に二原子炭素(C2)は化学結合の本質的理解や炭素同素体の生成機構、生命の誕生の謎に関わる重要な研究対象です。本研究を通じて我々は、三価の超原子価アルキニルヨーダンを用いることにより、非常に温和な条件でC2を発生できることを初めて明らかにしました。溶液中の反応性から、C2は炭素間に四重結合性があること、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの様々な炭素同素体を低温で生成することを見出しました。
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