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2018 年度 実施状況報告書

振動励起による自己集合マニュピレーション

研究課題

研究課題/領域番号 18K19085
研究機関北海道大学

研究代表者

平井 健二  北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (10754400)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード自己集合 / 分子振動 / 共振器
研究実績の概要

本研究では、分子振動の励起子と光子の強結合状態を利用して、結晶化を含む自己集合の制御を目的としている。
セレン化亜鉛板の上に金を蒸着することで、反射ミラーを作製した。2枚の反射ミラーを向かい合わせ、その間にスペーサーとしてマイラーフィルムを挟んだ。マイラーフィルムの隙間に液体を導入できる構成とすることで、反射ミラーで液体を挟む仕様とした。ミラー一式は金属の冶具の中に挿入し、ネジで金属容器を締めることによって、2枚のミラーを圧着する。ネジの締め具合によって、共振中心波数を操作できる仕様とした。これを溶液セルとして用いた。
金属イオンと有機配位子を含む水溶液を、溶液セルの中に導入した後、赤外吸収スペクトルの測定を行った。溶媒である水分子のOH振動と共振器の周波数のエネルギー準位が一致した時に、OH振動の励起子と光子の混成状態であるポラリトンのエネルギー分裂が観測された。エネルギー分裂が観測された状態で、静置すると、金属イオンと有機配位子が錯形成し、結晶が得られた。得られた結晶は、(共振器外で)通常得られる結晶と異なる形状をしており、強結合が結晶化に影響を与えることが示唆された。共振器とOH振動の強結合が、金属イオンや有機配位子の水和に影響を与えたため、結晶化の過程に変化が生じたと推察される。得られた結晶の同定および成長機構の解明を行い、エネルギー準位の分裂が自己集合に与える影響について検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

9月に発生した震災により、使用予定であった一部の共用装置が長期間停止した。それにより、実験系の準備に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

初年度で、実験設備の製作は完了した。次年度は、強結合が自己集合に与える影響を調査する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] The University of Strasbourg(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      The University of Strasbourg
  • [国際共同研究] The University of Melbourne(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      The University of Melbourne
  • [学会発表] Coordination Polymers Boost Nano- and Micro-Fabrication2018

    • 著者名/発表者名
      Kenji Hirai
    • 学会等名
      31st International Microprocesses and Nanotechnology Conference
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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