研究実績の概要 |
申請者が2015年に開発した配位高分子「ジピリンナノワイヤ」(JACS 2017, 16024; Chem. Sci. 2015, 2853) は, 有機溶媒中で超音波処理することでナノワイヤ1本1本を剥離・観察可能な分子ナノワイヤである. また物性面でも, 共重合ナノワイヤを用いて効率的なワイヤ内励起子移動の存在を明らかとしたが (Science Adv. 2019, eaau0637), そのメカニズムについては一定の知見を得たものの完全には解明されていない. 上記研究成果を基に, 今年度は, ジピリンオリゴマーアレイを合成し, そのおける励起子移動効率の定量と励起子移動メカニズムを独自の手法により解明することを目的に設定した。サイズ排除クロマトグラフィーを行うことで、1-16核の亜鉛錯体の単離精製に成功した。さらにオリゴマーアレイ内の効率よい励起子ホッピングの観察と、その数値シミュレーションによる解析にも成功した。
|