本研究で開発された「オペランド電気化学CT-XAFS法」は,実用に近いリチウムイオン二次電池電極における反応の分布およびその進展を,三次元かつ非接触・非破壊で評価できる,現状では唯一の新規計測手法である。これにより,これまでブラックボックスであった蓄電池内の反応をリアルタイムで追跡することが初めて可能となり,憶測に頼るしかなかった電極設計・開発指針を大きく転換させることができる。さらに同手法は,他のさまざまな電気化学デバイスへの適用も可能な,有用性と汎用性を兼ね備えた反応評価手法であり,今後のさらなる展開・発展も期待される。
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