研究課題/領域番号 |
18K19133
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森口 勇 長崎大学, 工学研究科, 教授 (40210158)
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研究分担者 |
瓜田 幸幾 長崎大学, 工学研究科, 助教 (40567666)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 多孔カーボン / ミクロ細孔 / メソ細孔 / 階層構造 / 電気二重層 / Liイオン / Mgイオン / 脱溶媒和 |
研究実績の概要 |
本研究では,カーボンミクロ細孔空間でのイオン脱溶媒和を活用した容量増大,さらに多価イオン塩を電解質に用いることによるさらなる高容量化,の相乗的な効果による新しいアプローチにより,既往研究の高比表面積化では理論的に実現不可能な革新的な高容量キャパシタの開発に挑戦するものである。 これまでの研究において,様々な細孔形状,細孔サイズおよび分布を有する多孔カーボンを用意し,まずLi塩有機電解液中でのサイクリックボルタンメトリーおよび定電流充放電測定により電気二重層容量を詳細に調べた。その結果,スリット状の二次元的形状を有するミクロ細孔よりもケージ状等の三次元的形状を有するミクロ細孔がLiイオンの脱溶媒和に有効であること,ただし,ミクロ細孔のみでは重量当たりの比容量は必ずしも高くはならず,ミクロ~メゾ領域の階層的な細孔分布を有する多孔カーボンにおいて,既往研究での100~140 F/g(有機電解液中)を凌駕する200 F/g以上の高容量が実質的に発現することを明らかにした。さらに,多孔カーボンの表面官能基の種類や量を昇温脱離測定により明らかにし,電気二重層容量との関連性を評価したところ,今回対象とした多孔カーボン試料においては電気二重層容量への官能基量の影響は無視できるほど小さいことが分かった。 一方,Li塩有機電解液中で高い電気二重層容量を示した多孔カーボンについてMg塩有機電解液系においても充放電測定を行ったところ,より高容量を示すことを見出した。Liイオンより脱溶媒和エネルギーが大きいMgイオンにおいても,カーボンミクロ細孔空間でのイオン脱溶媒和を活用した容量増大が期待できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した予定通りに,ミクロ細孔構造の影響,既往研究を凌駕する高容量発現を達成した。また,Mg塩有機電解液での容量増大を確認している。
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今後の研究の推進方策 |
Mg塩有機電解液系におけるカーボンナノ細孔内脱溶媒和状態を評価し,高い電気二重層容量発現と関連づける。さらに,構造最適化された多孔性カーボン電極と最適なMg塩有機電解液によりセルを試作し,EDLC性能(エネルギ-および出力密度,サイクル寿命)評価を行う。また,Mg系負極開発についても検討し,新規キャパシタ開発の可能性を検討する。
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