研究課題
次の3つの戦略でがん治療の検討を行った。(2)Au触媒によるがんでの生理活性分子クラスター形成による治療:既に報告者が見出していた、がんを認識する糖鎖アルブミンを用いて、ヌードマウスに播種したがんにAu(III)触媒を担持した。次いで金触媒に反応する官能基を有する生理活性分子を作用させた。目的とする金触媒反応をマウス内のがん細胞表面で選択的に進行させて、表面に生理活性分子のクラスターを形成させることにより、治療することに成功した。さらに、これまでに開発した金触媒よりも格段に素早く生体内でクラスター化できる金属触媒反応を併せて開拓した。(2)Ru触媒によるがん付近での生理活性分子の重合反応による治療:フラスコ内では多少の重合が進行するものの、金属触媒の反応場の空間が小さいために、現在用いた系では効果的な重合が行えないことが判明した。しかし、このテーマでも上記で開発した金触媒を有効に活用することにより、生体内で効率的に重合できる新規分子とその方法論を確立した。(3)がんで発生するアクロレインの新規8員環重合反応による転移抑制:報告者はこれまでに、がんでmMレベルで異常発生するアクロレインは近傍の生体アミノアルコールやジアミンと反応し、中間体イミンを経由して8員環ポリマーを与えることを発見している。報告者は、様々なアミノアルコールやジアミン誘導体を検討することにより、アクロレインとある種の8員環ポリマーを効率的に得ることに成功した。さらに、この8員環ポリマーは、がん細胞に対して強力な細胞障害性を示すことを見出した。
*触媒駆動型センサーによってエチレンの可視化に成功 東工大と理研(財経新聞)*エチレンを可視化 植物や果物特定部位蛍光検出(化学工業日報・朝刊)、*疾患部位で抗がん剤合成 理研など生体内化学療法(化学工業日報・朝刊)、*がん細胞で抗がん剤合成 理研が治療法 患部に触媒を固定(日刊工業新聞・朝刊)
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 6件、 招待講演 16件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
Small
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