本研究は従来の鍵と鍵穴モデルでは説明できない「アンサンブル構造」による分子認識の解明を目指すものである.当初、酸化ストレスセンサーと有機化合物との複合体形成による準安定状態のトラップを試みたが,これとは別のモデル系として,cis型プレニル転移酵素が有用であることがわかり,そのX線結晶構造を明らかとした。X線回折実験に適したサイズのストレスセンサー結晶を得ることが困難であったため,微結晶でも解析が可能なクライオ電顕を用いた微結晶電子線回折法に着目し,まず低分子試料の分子置換法による構造解析を行った.年度末に所属部局にクライオ電顕が導入されたため,今後の解析を行うための基礎を確立した.
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