細胞内の全開始tRNAを目的の改変型にするために、大腸菌ゲノムを改変しカウンターセレクション法によって変異型tRNA発現プラスミドと完全に置き換える方法を確立した。これまで変異tRNAを発現させる方法はあったが、完全に置換する方法はなく、目的tRNAが細胞内で機能するかどうかの判別に有効である。今回、目的の変異開始tRNAは獲得できず開始メチオニンの重要性を強調する結果となったが、その過程でこれまで報告がないような37位の塩基が翻訳開始に重要な役割を示唆することができた。また、タンパク質N末端解析の必要性から、合成中新生鎖の質量分析解析法といった新しい検出法を確立し、学会等で報告している。
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