• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

難吸収性ポリフェノール摂食による青班核―ノルアドレナリン神経刺激作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K19184
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

越阪部 奈緒美  芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード食品機能性 / 渋味 / 脳腸相関
研究実績の概要

Capsaicinとcinnamtannin A2(エピカテキン4量体)の感覚神経に対する作用を明らかにすることを目的に、Ca2+バイオセンサーであるYC3.60tgマウスの脊髄後根神経節(DRG)初代培養系を確立した。この培養系にcapsaicinまたはcinnamtannin A2を添加したところ、強いCa2+流入が観察されたことから、cinnamtannin Aは感覚神経細胞によって認識されることが明らかとなった。またcapsaicinとcinnamtannin A2 10 μg/kgをラットに強制経口投与したところ、投与10分後から有意な血圧・心拍数の上昇が観察され、60分後には元のレベルへ戻る傾向が認められた。更にcinnamtannin Aを10または50μg/kg強制経口投与し、経時的に全脳を摘出してコロナル凍結切片を作成した。この切片のcfosおよびCRHmRNA発現をin situ hybridization法で観察したところ、神経活動マーかであるcfosとストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の顕著な発現の誘導が認められた。以上の結果から、辛味成分であるcapsaicinと同様に渋味成分であるcinnamtannin A2の摂食刺激は消化管感覚神経によって知覚されること、またその刺激は生体にストレッサーとして認識されストレス応答反応を引き起こすこと、その結果交感神経活動が亢進し、末梢循環動態やエネルギー代謝に変化をもたらすことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画と同様に進行している。

今後の研究の推進方策

今後cinnamtannin A2の感覚神経上の受容器を明らかにすること、またcinnamtannin A2の摂食刺激が中枢にどのように伝達されるかについて明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当初、capsaicin・cinnamtannin A2投与後の脳切片に関する分析の一部を委託する予定であったが、独自で実施する実験系を開発したため、昨年度においてはその費用が圧縮できた。本年度はこれまで実施してきた分析に加え、質量イメージング法による測定を委託する予定であるため、総合的には当初の予算計画どおりとなる。

URL: 

公開日: 2021-03-11  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi