研究課題/領域番号 |
18K19184
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
越阪部 奈緒美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 食品機能性 / 渋味 / 脳腸相関 |
研究実績の概要 |
C57BL/6J雄性マウスにプロシアニジンおよびbromodeoxyuridine(BrdU)を10日間投与した。これらの動物に2つの物体を認識させた後に、片方の位置を変えるObject location test(OLT)および2つの物体の一方を違う形状の物体に変えるobject recognition test(ORT)に供した。OLTにおいて、プロシアニジン投与群においては精製水投与群に比較して、移動させた物体への探索時間の有意な増加(すなわち空間記憶の向上)が認められた。またORTにおいては、違う形状の物体に対する探索時間の増加傾向(すなわち長期記憶の向上)が認められた。また、これらの動物を解剖後、脳の凍結切片を作成し、BrdU標識細胞数を免疫染色法を用いてで検出した。プロシアニジン投与群においては精製水投与群に比較して、海馬の歯状回において、有意にBrdU標識細胞数が増加すること、すなわちプロシアニジン反復投与によって、海馬の神経再生が認められることをを見出した。以上ことから、プロシアニジンの反復投与は海馬における神経新生を誘導し、その結果空間記憶・作業記憶が向上したと考えられた。またC57BL/6J雄性マウスにプロシアニジンまたは精製水を強制経口投与した後に、オープンフィールドにおいて自発行動量を測定した。その結果、プロシアニジン投与群においては精製水投与群に比較して、投与直後から顕著な自発行動量の増加が認められ、マウスに覚醒を促していることがわかった。これらの結果は、プロシアニジン投与によってノルアドレナリンが睡眠調節の中枢である視床下部視索前野に投射された結果であると考察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、プロシアニジン投与直後の青斑核-ノルアドレナリン神経網の活性化をLC-MS/MSおよびin situ hybridizationで検証する予定であったが、条件検討のため時間を要したため、本年度再現性の確認試験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
課題であるプロシアニジン投与直後の青斑核-ノルアドレナリン神経網の活性化をLC-MS/MSおよびin situ hybridizationの検証を終了し、認知機能に障害が生ずると考えられる老齢モデル、社会的敗北ストレスモデル、卵巣摘出モデルなどを用いて中枢への影響を確認する。また、また健常人にプロシアニジン含有食品を摂取させたのちに、認知課題を与えて正答率への影響を検証するとともに、前頭前野の血流量を光トポグラフィ法で検出し、脳機能との関連性を検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね当初計画通り研究が進んでいたが、紙上報告のための再現性の確認および更なる詳細な解析が重要であると考えられることから、引き続き当該研究を継続する必要があるため
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