冷害の克服は重大な課題でありこれまでにさまざまな努力が続けられてきた。また、冷害が起こるメカニズム解明に向けた基礎研究が重ねられてきたがその知見は断片的であり、冷害を克服するための理論基盤として利用するには至っていない。本研究では、細胞周期を抑制する植物特異的サイクリン依存性キナーゼ(CDK)抑制因子EL2、EL2-LIKEに着目し、これらが低温での稔性低下に関与する可能性を検討した。その結果、これら遺伝子が不良環境耐性にかかわるABAによる誘導を受け、細胞分裂が抑制される器官で強く発現することを見出した。また、変異体では低温による稔性低下が起こる可能性が示唆された。
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