本研究では、不完全変態発生のモデルであるフタホシコオロギにおける光遺伝学による遺伝子発現操作技術の開発を主たる目的とした。当初外来遺伝子カセットの導入にあたって技術的問題に直面したが、改良型のトランスポゾン転移酵素を用いた遺伝子組換え技術をフタホシコオロギに適用することで、導入効率を従来の報告より最大6倍程度に上昇させることに成功した。この技術を用いて光遺伝学的制御に必要となるフタホシコオロギ系統の作出に成功し、光照射による遺伝子発現操作を試みた。結果的に発現を検出するには至らず、今後さらなる外来遺伝子カセットの改善が必要であることが示唆された。
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