近年、養殖魚の育種事業が世界各地で展開されているが、養殖魚の多くは初回成熟を迎えるまでの期間が長く、これが育種の律速となっている。そこで本研究では、ニジマスの早熟系統と通常成熟系統を比較することで、その早熟性に関わる変異を探索した。両系統の多数個体を縮約ゲノム解析に供したところ、系統間で顕著に分化したゲノム領域が複数みつかった。そのうちの一つは、配偶子形成関連遺伝子の近傍に存在していた。並行して系統間交雑集団を作出・育成し、上記分化領域の早熟化への関連を量的遺伝子座解析で確認することを試みた。しかし、新型コロナウイルス感染症対策のため飼育施設への立ち入りが困難となり、飼育試験は中止した。
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