研究課題/領域番号 |
18K19234
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堤 祐司 九州大学, 農学研究院, 教授 (30236921)
|
研究分担者 |
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
キーワード | ペルオキシダーゼ / オーキシン / 成長・分化 / リグニン / CWPO-C |
研究成果の概要 |
シロイヌナズナのCWPO-C過剰発現体は成長が遅れ、先端がフック形状の個体も現れた。過剰発現体の重力屈性応答は大きく遅延した。過剰発現体の内生IAA量は野生型と比較して顕著に低下していた。これらの結果から、CWPO-CはIAAを代謝・不活化していると推定した。この仮説は、in vitroにおける組換体CWPO-Cを用いたIAA代謝実験からも支持された。さらに、CWPO-Cのオーソログ遺伝子AtPrx71のKO変異体は主茎の初期発生が促進された。本研究により、万能ペルオキシダーゼによるIAAの新奇な代謝不活化経路とそれを介した成長や分化形態制御の可能性が示された。
|
自由記述の分野 |
樹木生化学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IAAの代謝不活化機構については、未解明の部分が残されておりIAAオキシダーゼによるOxIAAへの代謝変換やアミノ酸抱合体やグルコース抱合体への変換などが提案されている。一方本研究において、万能ペルオキシダーゼCWPO-C過剰発現体の表現型は、IAA欠乏状態の表現型とよく一致し、内生IAA量が著しく低下していたこと、組換体CWPO-CによるIAA代謝が確認されたことからCWPO-Cによる新たなIAA代謝経路が示唆された。IAAは植物の成長や分岐を制御する重要な因子であり、生産性と価値に大きな影響を持つため、その作用メカニズム解明は植物生産において非常に重要な知見になりうる。
|