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2019 年度 実施状況報告書

農林業センサスの高度利用に向けた基盤形成-匿名データと疑似データの開発を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 18K19247
研究機関京都大学

研究代表者

仙田 徹志  京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (00325325)

研究分担者 山口 幸三  京都大学, 学術情報メディアセンター, 研究員 (10436751)
藤栄 剛  明治大学, 農学部, 専任准教授 (40356316)
中谷 朋昭  横浜市立大学, データサイエンス学部, 教授 (60280864)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードミクロデータ / 農林業センサス / 疑似データ / 高度利用
研究実績の概要

本研究の目的は、農林業センサスの複数年次のミクロデータからの匿名データの作成方法、ならびに、一般に配布可能な疑似データの作成技法を開発することである。匿名データへの対応は、各府省で異なるが、農林水産統計では、匿名データの作成はなされていない。しかし、家計(世帯)と企業の複合体としての主体的特質を持つ農家の匿名データの作成は、十分に検討の余地が残されていると考える。一方で、学部学生や大学院生もアクセス可能な疑似データの開発も利用者の拡大という点で望まれており、本研究では、こうしたデータセットの開発に向けた検討も行う。また本研究では、データセットの作成技法の検討に際し、利用者ニーズや農業の特殊性にも配慮し、さまざまな観点からのデータセットの開発に挑戦する。
これまでの2か年では、農林水産省以外の各府省での匿名データや一般配布を行うデータセットの作成にかかわる検討状況や、改正統計法と各種データセットの開発との関係について情報収集を行った。とりわけ、改正統計法とその施行については、本研究と重要なかかわりを持つものであり、その情報収集に重点を置いて研究を進めた。統計法の改正にともない、リモートアクセスによるオンサイト利用が全国の大学等にて広く展開されていくことが明らかとなった。一方で、統計不正問題にともなう各府省への一斉点検などの影響により、農林水産省大臣官房統計部との間での手続きが遅延することもあったが、これまで総務省統計局、農林水産省大臣官房統計部から統計担当者を招聘の上、公開セミナーを開催し、意見交換を行ってきている。以上の情報収集のほか、研究メンバーや有識者を加えた意見交換により、各種のデータ開発の方向性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、農林業センサスの複数年次のミクロデータからの匿名データの作成方法、ならびに、一般に配布可能な疑似データの作成技法の開発を行う。本研究で用いるデータは、すでに構築しつつある農林業センサスのパネルデータである。
2018年度は、農林水産省以外の各府省の匿名データや一般配布を行うデータセットの作成にかかわる検討状況や、改正統計法と各種データセットの開発との関係について情報収集を行った。とりわけ、改正統計法とその施行については、本研究と重要なかかわりを持つものであり、その情報収集に重点を置いて研究を進めた。統計法の改正にともない、リモートアクセスによるオンサイト利用が全国の大学等にて広く展開されていくことが明らかとなった。また、総務省統計局、農林水産省大臣官房統計部から統計担当者を招聘の上、公開セミナーを開催し、意見交換を行った。以上の情報収集のほか、研究メンバーや有識者を加えた意見交換により、各種のデータ開発の方向性を検討した。この2018年度の統計法改正の動きは、科研費申請時には十分に予想されていなかったものであり、内定時にも、詳細が不明であったが、その後、情報収集を密に行い、新たな統計利用の方向性について把握に努めることにより、2019年度における研究の基盤形成を行うことができた。上述の通り、総務省統計局と農林水産省の統計担当者を招聘した公開セミナーを開催するなど、法改正にともなう大きな変化がある中で、本研究は概ね順調に進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

次年度は、以下のような形で本研究を進めていく。
2020年度は、これまでの2か年の検討結果をふまえ、匿名データや疑似データの開発に着手する。統計法の改正をふまえ、今後予想されるリモートアクセスによる統計利用への対応も念頭に研究を行う。具体的には、いくつかの作成パターンを想定し、プロトタイプのデータセットが開発された段階で、使用感や改善方向について、随時、研究会の開催等により研究メンバー間で意見交換を行い、開発するデータセットの内容を高めていくような形で研究を進めていく計画である。
コロナ禍により、各府省がテレワークに入る中、本研究も各府省との交渉や外注面などで、少なからず影響を受けることになるが、適宜対処する。

次年度使用額が生じた理由

一部の分担者において、執行残高が発生しているが、2020年度以降に執行見込みであり、本研究の遂行上の支障はない。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 農業経営の組織変革とそのインパクト-法人化を対象に-2020

    • 著者名/発表者名
      藤栄 剛
    • 雑誌名

      農業経営研究

      巻: 58(1) ページ: 掲載予定

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Impact of direct payments on agricultural land use in less-favoured areas: evidence from Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Taisuke Takayama, Noboru Hashizume, Tomoaki Nakatani
    • 雑誌名

      European Review of Agricultural Economics

      巻: Vol. 47, No. 1 ページ: 157-177

    • DOI

      https://doi.org/10.1093/erae/jbz008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 公的統計における標本調査の調査設計とミクロデータの可能性2020

    • 著者名/発表者名
      山口幸三
    • 雑誌名

      統計学

      巻: 118 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 深層学習による衛星画像認識を活用した土地利用の推計結果について2019

    • 著者名/発表者名
      神宮司一誠・飯山将晃・山口幸三・吉田嘉雄・仙田徹志
    • 雑誌名

      Working Paper Series

      巻: 9 ページ: 1-13

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Impacts of 150 Years of Modernization Policies on the Management of Common Forests in Japan: A Statistical Analysis of Micro Census Data,2019

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, T., Matsushita, K., Yoshida, Y., & Senda, T.
    • 雑誌名

      International Journal of the Commons

      巻: 13(2) ページ: 1021-1034

    • DOI

      http://doi.org/10.5334/ijc.936

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 農林水産統計の高度利用2020

    • 著者名/発表者名
      仙田徹志・吉田嘉雄・山口幸三
    • 学会等名
      2020年度日本農業経済学会大会
  • [学会発表] 集落営農による集団的農地利用の成立条件2020

    • 著者名/発表者名
      高橋大輔・藤栄剛・仙田徹志
    • 学会等名
      2020年度日本農業経済学会大会
  • [学会発表] Geographical Indications, Farm Size, and Farm Survival: Evidence from a Natural Experiment in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      高山太輔・中谷朋昭・仙田徹志・藤栄剛
    • 学会等名
      2020年度日本農業経済学会大会
  • [学会発表] 農業経営の組織変革とそのインパクト-法人化を対象に-2019

    • 著者名/発表者名
      藤栄 剛
    • 学会等名
      令和元年度日本農業経営学会研究大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 集落営農の効率性分析-販売型集落営農へのDEAの適用-2019

    • 著者名/発表者名
      小田昌希・中嶋晋作・藤栄 剛・仙田徹志
    • 学会等名
      令和元年度日本農業経営学会研究大会
  • [学会発表] Demographic changes and their influence on the demand for wooden houses in Japan,2019

    • 著者名/発表者名
      Matsushita, K., Yamaguchi, K., Yoshida, Y., Senda, T.
    • 学会等名
      XXV IUFRO World Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 新規若手農業経営者から見る担い手課題2019

    • 著者名/発表者名
      西村教子・吉田嘉雄・仙田徹志
    • 学会等名
      2019年度統計関連学会連合大会,
  • [学会発表] 戦前と戦後の失業に関する統計調査2019

    • 著者名/発表者名
      山口幸三
    • 学会等名
      経済統計学会第63回全国研究大会
  • [図書] 失業に関する統計調査の転換と継承 佐藤正広編著 近代日本統計史2020

    • 著者名/発表者名
      山口幸三
    • 総ページ数
      243-266(総ページ数306)
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771033030
  • [図書] 収穫量・作況および飼養頭羽数に関する統計,統計の二次的利用, 日本農業経済学会編  農業経済学事典2019

    • 著者名/発表者名
      仙田徹志
    • 総ページ数
      628-629, 646-647, (総ページ数804)
    • 出版者
      丸善
    • ISBN
      978-4-621-30457-0
  • [図書] 改正された統計法と二次的利用の現状と課題 坂田幸茂編著 公的統計情報-その利活用と展望2019

    • 著者名/発表者名
      山口幸三
    • 総ページ数
      3-21(総ページ数408)
    • 出版者
      中央大学出版部
    • ISBN
      978-4-8057-2269-5

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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