研究課題
本研究では、ウシに不顕性感染する赤血球寄生性の住血原虫にインターフェロン等のサイトカインを分泌性あるいは細胞表在性のタンパク質として発現させ、ウイルス・細菌・寄生虫といった病原体の種類に応じて宿主動物の免疫系を抗原非特異的に自在に制御することで、これら病原体による慢性消耗性感染症による被害を軽減する技術を開発することを目的とする。各種サイトカインを既知の分泌タンパク質や原虫細胞表層発現タンパク質との融合タンパク質として発現するバベシア原虫株を目的で、原虫ゲノムをCRISPR/Cas9系で編集する実験系を外国産のバベシア原虫バベシア ボービス(Babesia bovis)で確立した。また、開発した技術について今年度発刊の専門誌に発表した。現在、このCRISPR/Cas9系の国産のバベシア原虫バベシア オバタ(Babesia ovata)への応用を試みている。
3: やや遅れている
サイトカイン発現バベシア原虫を効率よく作製するための、昨年度は外国産原虫でCRISPR/Cas9系の技術開発に成功した。今年度は、国産の原虫にて同様の技術開発に着手したが現在までにこれを完成できていないため。
CRISPR/Cas9系を国産の原虫においても確立して、それらを応用してサイトカインを分泌性あるいは細胞表在性のタンパク質として発現するバベシア原虫の作製を試みる。
研究初年度にバベシア原虫ゲノムをCRISPR/Cas9系で編集する実験系を確立し、今年度はこの技術の国産原虫への応用を試みたが、プラスミドの作製に時間を要して、研究期間の延長が必要になった。次年度使用額はこの実験の継続に使用する。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)
mSphere
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