PGE2は脳内の発熱中枢領域に働いて体温を上昇させることで知られている。我々は過去に、PGE2合成酵素の遺伝子欠損マウスが、野生型で発熱を呈するレベルの感染刺激時に強度の体温低下を呈することを見いだした。この結果は感染時には発熱中枢と同時に体温低下を引き起こす機構が活性化されることを示唆しており、本課題ではこの機構の解明を目指した。その結果、①低体温時の脳内では複数の低体温中枢候補領域の神経細胞が興奮する。②末梢組織からの感染刺激を橋結合腕傍核が仲介し脳内の体温上昇/低下何かを担う領域に情報を伝達する。③体温低下機構の感受性が卵巣由来のエストロゲンによって亢進する。などの新たな知見を得た。
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