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2019 年度 実施状況報告書

ゲノム編集システムを応用した動物RNAウイルス不活化戦略

研究課題

研究課題/領域番号 18K19264
研究機関東京大学

研究代表者

堀本 泰介  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00222282)

研究分担者 村上 晋  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10636757)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードウイルス
研究実績の概要

本研究では、新奇の革新的RNA編集テクノロジーであるCRISPR/FnCas9およびCRISPR/LwaCas13aシステムを用いたウイルスゲノムの不活化戦略により、動物のウイルス感染症の制御、特に鳥インフルエンザなどこれまでその制御が困難とされる動物RNAウイルス感染症に焦点を絞り、それらの革新的な制御法の確立を目指す。本来、DNAを標的とするゲノム編集システムであるが、最近、新しい種類のCasである特にFnCas9やLwaCas13aが、DNAのみならずRNAを認識してそれを切断・不活化することが報告された。本研究はその知見をRNAウイルスゲノムの不活化、ウイルスの増殖抑制に応用することを試みるものである。特に、インフルエンザウイルスの増殖抑制にRNAゲノム編集システムを初めて応用する。RISPR/CasはPAM配列非依存的にRNAを切断するので、HA亜型に関係なく全てのインフルエンザウイルスをユニバーサルに制御できる可能性がある。
本年度は、プラスミドバンク(米国Addgene社)より入手したLwaCas13a遺伝子を含むプラスミドからLwaCas13a遺伝子を切り出し、CRISPRシステムに適用可能な発現ベクターにサブクローニングしたものと、インフルエンザウイルスの特異配列を認識できるRNA-targeting guide RNA(rgRNA)を発現するプラスミドを同時に培養細胞に導入し、インフルエンザウイルスの増殖が抑制できるかを評価した。しかし、現在までいくつかのコンストラクトを試したが、細胞でのインフルエンザウイルスの増殖抑制効果は見られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トランスフェクションベースにおいても期待したウイルス増殖抑制効果は今のところ見られていないため、非増殖型ウイルスベースの構築に進むことができていない。また、COVID-19の影響で、一部の実験実施が停滞している。

今後の研究の推進方策

最近、本研究と同様な方法(PAC-MAN)で、同じRNAウイルスであるコロナウイルスの細胞での増殖抑制に成功し、またこのコンストラクトはヒトのインフルエンザウイルスにも応用できることを示した論文が発表された。そこで今後は、標的配列のデザインなどをこの方法を参考にして実施し、鳥インフルエンザウイルスを標的とするrgRNAコンストラクトを構築し、ウイルス抑制効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた実験の進展がやや遅れており、また、COVID-19の影響で実験の自粛期間が発生したため、次年度使用額が発生した。今後の研究方針は明確化されており、その早期実現のためにやや費用のかかるキット類や遺伝子人工合成などを利用することで、集中して実験を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Bovine viral diarrhea virus non-structural protein NS4B induces autophagosomes in bovine kidney cells.2019

    • 著者名/発表者名
      Suda Y, Murakami S, Horimoto T.
    • 雑誌名

      Arch. Virol.

      巻: 164(1) ページ: 255-260

    • DOI

      10.1007/s00705-018-4045-x.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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