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2018 年度 実施状況報告書

共喰いの分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K19266
研究機関東京農工大学

研究代表者

新村 毅  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50707023)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード共喰い / カニバリズム / 全ゲノムシークエンス / 集団ゲノム解析 / RNA-seq
研究実績の概要

21世紀以降、家畜福祉(アニマルウェルフェア)はグローバルスタンダードとなり、ニワトリ用のケージ飼育が世界的に禁止となり、広い空間に数千羽以上を放し飼いにする管理方法への移行が始まっている。しかしながら、そこではニワトリ同士の共喰いが多発するため、この問題行動の遺伝的制御が世界的な課題となっている。動物の共喰いは、無脊椎動物の他、魚類から霊長類に至るまで、1,500種以上の動物で確認されているものの、共喰いの制御機構はあらゆる生において未解明であり、家畜の共喰いは非適応的で生産性を大きく損なうものである。本研究は、なぜ同種の仲間を殺して食べてしまうのか?という問いに、分子の言葉で初めて答えようとする挑戦的な研究課題である。この研究課題に対し、多階層的な技術を結集し、共喰いの分子制御機構を明らかにすると共に、年間数兆円を超す大きな経済損失を招いている問題行動の育種基盤を構築する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

全ゲノム情報の集団ゲノム解析により、共喰いの分子基盤を明らかにすることができたため。

今後の研究の推進方策

実験1)ゲノム解析(集団遺伝学的解析):全ゲノムシークエンス情報を、さらに追加することにより、共喰いを支配している遺伝子の候補を抽出する。
実験2)網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq):共喰いをしている個体・していない個体の個体の脳をサンプリングし、遺伝子発現解析を実施する。
実験3)制御遺伝子の同定と立証:実験1・2で抽出された候補遺伝子を、in situ hybridization(ISH)法による時空間的遺伝子発現解析により脳内中枢における発現動態を解析する。

次年度使用額が生じた理由

全ゲノムシークエンスの受託解析は、Cost-effectiveな方法により実施することができたため、余剰分を次年度に使用することとした。次年度は、サンプル数を増やす計画であるため、余剰分をこれに企てる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] ウプサラ大学(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      ウプサラ大学
  • [雑誌論文] Cholecystokinin induces crowing in chickens2019

    • 著者名/発表者名
      Shimmura Tsuyoshi、Tamura Mai、Ohashi Shosei、Sasaki Asuka、Yamanaka Takamichi、Nakao Nobuhiro、Ihara Kunio、Okamura Shinsaku、Yoshimura Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: 1-7

    • DOI

      https://doi.org/10.1038/s41598-019-40746-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Seasonal regulation of the lncRNA LDAIR modulates self-protective behaviours during the breeding season2019

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Tomoya、Shimmura Tsuyoshi、Shinomiya Ai、Okimura Kousuke、Takehana Yusuke、Furukawa Yuko、Shimo Takayuki、Senga Takumi、Nakatsukasa Mana、Nishimura Toshiya、Tanaka Minoru、Okubo Kataaki、Kamei Yasuhiro、Naruse Kiyoshi、Yoshimura Takashi
    • 雑誌名

      Nature Ecology & Evolution

      巻: 3 ページ: 845~852

    • DOI

      https://doi.org/10.1038/s41559-019-0866-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Seasonal changes in color perception2018

    • 著者名/発表者名
      Shimmura Tsuyoshi、Nakayama Tomoya、Shinomiya Ai、Yoshimura Takashi
    • 雑誌名

      General and Comparative Endocrinology

      巻: 260 ページ: 171~174

    • DOI

      10.1016/j.ygcen.2017.12.010

    • 査読あり
  • [学会発表] Toward multi-level understanding of innate vocalization in chickens2018

    • 著者名/発表者名
      Shimmura T
    • 学会等名
      Songbird workshop 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 鳥類の先天的発声の制御機構:集団・個体・遺伝子発現・ゲノム2018

    • 著者名/発表者名
      新村毅
    • 学会等名
      第43回日本比較内分泌学会大会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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