研究課題/領域番号 |
18K19272
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
牛田 一成 中部大学, 創発学術院, 教授 (50183017)
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研究分担者 |
土田 さやか 中部大学, 創発学術院, 特任講師 (40734687)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | スカベンジャー動物 / アフリカハゲコウ / 腸内細菌 |
研究実績の概要 |
平成31年(令和元年度)は、9月にウガンダ渡航を行い、調査地であるカンパラ周辺のカンパラ市ゴミ処理場(埋却)およびワキソ県ナカソジ郡屠殺場に飛来する野生アフリカハゲコウ(Leptoptilos crumeniferus)は、それぞれ9および11試料を現地協力者のサポートのもとで採取した。具体的には、野生アフリカハゲコウを目視観察しながら排泄を確認し、新鮮糞を採取した。採取した糞便は、それぞれ採取量に応じて短鎖脂肪酸およびアンモニア濃度測定、乳酸菌培養、細菌DNA抽出用(Miseqによる細菌16S rRNA遺伝子網羅解析)の全てあるいはいずれかを実施した。 コハク酸や乳酸および短鎖脂肪酸の濃度は、合計80 mM/kg前後で、そのうち酢酸が70%, ギ酸10% 酪酸7%をしめた。アンモニアは、ゴミ処理上個体群が600 mgN/ kgに対し屠殺場個体群が1100 mgN/ kgと後者が2倍高濃度であった。腸内細菌構成は、前年度と同様γ-proteobacteriaに属する細菌リード数が最も多く検出され、ついでFusobacteria、そしてClostridiaであった。この特徴は、集団が異なっていても同様であった。短鎖脂肪酸の生成パターンは、Fusobacteriumに由来する可能性があると判断された。古細菌の検索も同時に実施したが、今回は既知のMethanobacteriaに属する細菌が検出されたが、マイナーであった。また、同時にこれらのうち14糞便試料より、現地で腸内細菌の分離培養を行い、約200株の嫌気性細菌を得た。16S rRNA配列による同定作業の結果、Lactobacillus 152株が分離されていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続きアフリカハゲコウ由来の腸内細菌網羅解析、腸内細菌分離を行ったが、今年度は生息環境を異にする2箇所の営巣群に対して実施できた。また腸内環境の把握のために短鎖脂肪酸やアンモニアの測定を行い、食物の違いを反映すると思われる生化学的な違いを発見できたため。 またカンパラ市のゴミ処理場営巣群の行動観察により、アフリカハゲコウが摂食したプラスティック製の袋や容器は、フクロウなどがペリットとしてはき出すのと同様の形状で、はき出されていることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初プラスティック分解能の有無について検討する予定であったが、上記のようにプラスティックの分解がおこっている可能性が低いことがわかったため、むしろ消化管細菌による抗菌性防御について検討を加えることとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が、年度内に本課題を遂行するためにウガンダ渡航できなくなったため、旅費を次年度に繰り越した。2020年度には、可能になり次第ウガンダに渡航し、アフリカハゲコウからの細菌分離を継続する。
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