研究課題/領域番号 |
18K19272
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
牛田 一成 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50183017)
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研究分担者 |
土田 さやか 中部大学, 創発学術院, 特任講師 (40734687)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | スカベンジャー動物 / アフリカハゲコウ / 腸内細菌 |
研究実績の概要 |
2020年度は、コロナ禍のためにウガンダ渡航が不可能であったため現地調査ができなかった。そのため、2019年度終了時までに取得したアフリカハゲコウ糞便のメタ16S rRNA遺伝子解析結果をすすめると共に、PICRUSt2を用いたバイオインフォマティクス解析を行った。大学構内の個体群は、検体数が少なかったので、再解析からは除外したが、カンパラ市内屠殺場およびゴミ処理場の2箇所の異なった餌場を利用するアフリカハゲコウ2集団の腸内菌叢の機能比較を行った。その結果、この2集団間には乳酸菌群の種(OTU)分布に大きな違いが見いだされたほか、Erysipelotrichales細菌の分布にも大きな隔たりがあったた。そこで、新たにPICRUSt2を用いた機能予測をおこなったところ、2群の間には、13の代謝パスウェイに大きな違いが認められた。具体的には、リジンやイソロイシン合成経路、メバロン酸合成系のパスウェイ群の遺伝子集積度に顕著な差があったほか、乳酸菌の分布に偏りがあったことを反映して、乳糖やガラクトース分解系に属する代謝パスウェイ群に有意な差が認められた。このほか、バイオインフォマティクス解析では、アフリカハゲコウと類似した腐肉食鳥類である新世界ハゲタカの既報データとの比較も行った。興味深いことに乳酸菌群は、アフリカハゲコウの方が多く、逆に病原性が疑われるFusobacterium, Helicobacter, Campylobacter およびRomboutsiaの分布量はゴミ処理場や屠殺場のアフリカハゲコウの方が有意に少ない結果であった。 アフリカの大都市の露天ゴミ処理場や屠殺場屠体残渣を漁って生存するための生体防御に乳酸菌が係わっている可能性を示すものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のためにウガンダ渡航ができなかったため、現地調査と採材、分離培養等が実行できず、最終年度の計画が進められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後のコロナ感染状況による渡航可能性に依存するが、渡航が可能となり次第、現地調査を実施する。航空運賃が、コロナ禍以前より大幅に上昇したため、渡航回数、渡航のべ人数の減少も予想して計画を立てる。 アフリカハゲコウの乳酸菌には、生体防御への貢献が推測されるため、乳酸菌の機能解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していた現地調査が実施できなかったため
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