研究課題
ヒト疾患を分子レベルで解析するには、疾患モデル動物の詳細な表現型解析が有力な手段となる。表現型は元々3次元(3D)である。非破壊的に詳細3Dデータが取得可能なX線CTイメージング法は、その解析に大きな威力を発揮する。一方でX線はその濃度解像度の低さから心臓や肝臓などの軟組織の画像化には適さない一面を持っていた。この欠点を克服するためにこれまでに我々は造影剤、造影方法を開発し、X線では画像化が困難であったマウス胎仔等軟組織のイメージング法の確立に成功してきた。この手法は、一度データを取得すれば任意の位置、任意の角度で再構築可能であり極めて有用な解析法ある。しかしこのCTイメージングでも大きな期待を寄せられつつも画像化できていない領域が存在した。それが軟骨と遺伝子発現のイメージングである。本研究課題では、この2つのイメージング法開発に挑戦した。軟骨イメージングに関しては、プラチナフタロシアニン造影剤を有機合成するとともに、複数種類の自主開発造影剤の効果の検討を行った。X線による遺伝子発現イメージング法の開発に関しては、X線で検出可能と考えられるレポーターコンストラクトの構築、それを用いたトランスジェニックマウスの作製を行った。その効果に関する実験を行った結果、いくつかの改善点が見出された。それらを改善することにより非常に強力な解析型の構築が実現できることが考えられる。本研究における成果をもとに、現在知的財産権の獲得に向けた準備を進めている。その為、詳しい結果報告に関しては再提出を行いたい。
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Bioinformatics
巻: 36 ページ: 1492-1500
10.1093/bioinformatics/btz744
Nature Communications
巻: 11 ページ: 859
10.1038/s41467-020-14697-z.