ツパイはツパイ目ツパイ科に属す、体重が約150グラムの小型哺乳動物で、近年まで原猿類に分類されていた。また、ツパイは人に近い遺伝情報を持っており、ヒトとチンパンジーにしか感染しないB型肝炎ウイルスの感染受容体がツパイの肝細胞から同定されている。ツパイの乳腺の生理学的特徴と発育などはヒトに類似している。平均発生月齢は2年3ヶ月で、一番早くは10ヶ月齢に見られた。このことから、ツパイの自然発症乳腺腫瘍は遺伝性のものが多く、若年性のものもあることが示された。本研究から得られたこれらの新たな知見を元に、早期診断、予防、治療法開発に資する可能性が示された。
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