研究課題
挑戦的研究(萌芽)
原核生物のもつCRISPR-Cas獲得免疫機構に関与するRNA依存性DNAヌクレアーゼCas9はガイドRNAと複合体を形成し、標的となる2本鎖DNAを切断する。したがって、Cas9は革新的なゲノム編集ツールとして広く利用されている。本研究では、Cas9やCas12fの立体構造を決定することにより、それらのRNA依存性DNA切断機構を解明した。さらに、立体構造に基づき利便性の向上したCas9改変体を作製し、ゲノム編集技術の高度化に貢献した。
構造生命科学
本研究では、小型Cas9の結晶構造および小型Cas12fのクライオ電子顕微鏡構造を決定した。これらの立体構造から、CRISPR-Cas酵素の多様なRNA認識機構、DNA認識機構、DNA切断機構が原子レベルで明らかになった。さらに、得られた構造情報を利用し、標的範囲の拡張したCas9改変体の開発にも成功した。これらの成果は、ゲノム編集技術の高度化に貢献するものである。