研究課題
(項目1)PAタグを利用した、AAVキャプシドへのペプチド挿入デザインの評価と最適化: この項目は平成30年度に完了したので実施しなかった。(項目2)ペプチド挿入型AAVベクターによる細胞感染の評価:発現カセットにGFPの代わりにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだpAAV-lucを自作し、これをpRCプラスミドとともにもちいて改変型AAV粒子を調製した。HEK細胞に感染させ、ルシフェラーゼの活性を測定することで遺伝子導入能の定量系を構築した。また、GFPに代えてより明るく発現が安定なAcGFPを搭載したAAVも作製し、遺伝子導入量をFACSによって定量する系も構築した。(項目3)AAV感染成立に必要な第2の相互作用部位の解明:前年度までにAAV2由来のVP3キャプシドタンパク質を抗原としたモノクローナル抗体を9クローン樹立し、その認識特異性をしらべた結果、残念ながらどの抗体もネイティブなAAV粒子に対する反応性が極めて低いことがわかった。しかしながら、PAタグ挿入型AAVの感染実験を通して、4カ所の挿入候補部位のうち、必須なのはS2だけであり、他の3カ所は受容体への結合に必須ではないことがわかった。(項目4)PAタグ以外のターゲッティング用ヘアピンターンペプチドへの応用: AAVキャプシド上にヒトプレキシンB1結合性ペプチドmP6-9を挿入した変異ウイルスを構築し、プレキシンB1発現細胞への感染実験を行った結果、予想通りプレキシンB1の発現に完全に依存する遺伝子導入が起こることを確認した。これにより、本研究課題の最大目標である、「標的指向性の付与」が可能であることを実例をもって示すことができた。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件)
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