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2018 年度 実施状況報告書

フォトスイッチ電位センサーの創製

研究課題

研究課題/領域番号 18K19299
研究機関香川大学

研究代表者

藤原 祐一郎  香川大学, 医学部, 教授 (20532980)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワードイオンチャネル
研究実績の概要

電位依存性チャネルの電位センサーの構造と動作機構に基づき、新規の光駆動イオンチャネルおよび光駆動膜機能蛋白質を創製することを試みる。高速で光異性化を起こすアゾベンゼンを利用して、電位センサーを動かし、光によるイオンチャネル活性の制御や電位センサーに付加した酵素などの機能分子の制御を行う。分子構造や動作機構に立脚して戦略的に光駆動チャネル・光駆動性膜蛋白を創製するプラットフォームを構築することを目的として本研究を行う。
本年度は、扱いやすい最小ユニットで機能するHvチャネルおよびVSPの電位センサーを対象に実験を進めた。構造解析情報を基に、電位センサーがResting構造からActive構造に変化する際に変わる残基間距離を計算した。光異性化距離に相当する残基ペアに、アゾベンゼン誘導体を架橋するためのCys変異を導入した。S3-S4間距離、S2-S4間距離、ドメイン間距離をアゾベンゼンの光異性化によりコントロールすることを試みた。網羅的に多くの変異体コンストラクトを作成し、変異体チャネルをXenopus卵母細胞に発現させ、アゾベンゼン誘導体をスルフヒドリル反応で付加し、光異性化波長を照射し、電気生理学的に測定した。本年度は、光で操作することができる電位センサーを得ることが出来なかった。しかしながら、本研究費で実験補助員(1名)を雇用し、Cys導入変異体作成から電流解析まで一連の解析システムを構築することに成功した。次年度以降に、解析システムが有効に働くことが期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究費で実験補助員(1名)を雇用し、変異体作成から電流解析まで一連の解析システムを構築することに成功し、数多くのCys変異体を作成し、解析検討した。

今後の研究の推進方策

本年度は、扱いやすい最小ユニットで機能するHvチャネルおよびVSPの電位センサーを対象に実験を進め、変異体作成から電流解析まで一連の解析システムを構築することに成功した。しかしながら、光で操作できる有効な変異体を得ることが出来なかった。次年度は、構造-機能解析・分子計算まで含めて、これまで最も研究の進んでいる電位センサーを有する電位依存性チャネルを対象として研究を進める。数多くのCys導入変異体を作成し、スクリーニングを行う。困難を解決するために、適宜、分子計算解析も導入し、プロジェクトの成功に繋げる。

次年度使用額が生じた理由

発注機器の納期の遅れ、および計算科学を取り入れて研究を遂行する必要が生じたため学内計算機器設備による分子構造計算を取り入れて研究を行ったため、物品費の使用に遅れが生じた。実験補助員の雇用が遅れたため、人件費の使用に遅れが生じた。
翌年度分として請求した助成金と合わせた、直接経費(4,274,155円)の使途は以下の通り。
物品費:2,000,000円、旅費:50,000円、人件費:2,200,000円、その他:24,155円。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アンキリンが生体膜に相互作用する構造基盤2018

    • 著者名/発表者名
      藤原 祐一郎, 近藤 寛子, 城田 松之, 木下 賢吾
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 58 ページ: 152-154

    • DOI

      https://doi.org/10.2142/biophys.58.152

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] What is the pH-gradient Sensing in the Voltage- Gated H+ Channel?2019

    • 著者名/発表者名
      藤原祐一郎
    • 学会等名
      第9回アジアオセアニア生理学会(第96回日本生理学会合同大会)(国際学会)
    • 国際学会
  • [学会発表] Toward the understanding of hexose specificity of Na+ D-glucose cotransporters SGLT1 and SGLT22019

    • 著者名/発表者名
      神鳥和代、藤原祐一郎
    • 学会等名
      第9回アジアオセアニア生理学会(第96回日本生理学会合同大会)(国際学会)
    • 国際学会
  • [学会発表] Ion Permeation of Voltage Sensor and its Foundation Structure2019

    • 著者名/発表者名
      片木絢子、藤原祐一郎
    • 学会等名
      第9回アジアオセアニア生理学会(第96回日本生理学会合同大会)(国際学会)
    • 国際学会
  • [学会発表] 電位依存性H+チャネルの電気的・化学的勾配センシング機構2018

    • 著者名/発表者名
      藤原祐一郎
    • 学会等名
      蛋白研研究会「構造情報に基づいた膜イオン輸送タンパク質の 生理機能の解明に向けて」
    • 招待講演
  • [備考] 温度生物学トピックス「TRPV1の熱活性はポアドメインに備わっている。」

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/thermalbio/report/report2018_01.html

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公開日: 2019-12-27  

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