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2019 年度 実施状況報告書

遺伝子改変による細胞特異的エクソソーム単離法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K19315
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

小野 竜一  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (10401358)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードエクソソーム / 細胞外小胞 / EV
研究実績の概要

本研究課題の目的は、細胞外小胞として知られるエクソソーム表面に時期・部位特異的に特異的な表面タンパクを挿入し、その表面タンパクを精製することでエクソソームを分泌した細胞を特定することを可能とすることである。エクソソームは様々な細胞より分泌される脂質二重膜、表面抗原に覆われた小胞であり、その中には、mRNA や miRNA などが含まれており、最近ではがんのバイオマーカーとして的中率 90 % を超えるまでに至っている。エクソソーム表面に存在する表面抗原タンパク、分泌した細胞により特異性があり、特にがん特異的な表面抗原タンパクなども知られている。 その中でもほぼ全てのエクソソームに共通して存在することが知られているのが、テトラスパニン (TN4) スーパーファミリーに属する CD9 である。 そこで、本研究計画では、ヒト CD9 に EGFP の融合させた CD9-EGFP を時期および部位特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製する。CD9-EGFP は、 Cre-loxP システムを利用することで、時期・部位特異的に CD9-EGFP を誘導することが可能となる。今年度は、内在性の CD9 をゲノム編集により欠損させたマウスの作製を行い、さらに、CD9-EGFP トランスジェニックマウス作製用のベクターを構築し、HEK293T 細胞において、Cre を発現させることで CD9-EGFP が誘導されること、CD9 と同様に細胞膜表面に局在していることを明らかにした。現在、この CD9-EGFP ベクターを利用し、トランスジェニックマウスの作製を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和元年度はマウスの内在性CD9遺伝子をゲノム編集により欠損させた CD9 ノックアウトマウスの作製に成功した。また、培養細胞において、エクソソーム表面に時期・部位特異的に特異的な CD9-EGFP 融合タンパクを誘導することに成功するなど、計画通りに進捗している。

今後の研究の推進方策

時期および部位特異的に誘導可能なCD9-EGFP トランスジェニックマウスを作製し、各種 Cre トランスジェニックマウスと交配することで、臓器特異的な CD9-EGFP を誘導し、実際に採血を行い、CD9-EGFP を精製することで、臓器特異的なエクソソームの単離を確認する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響によりトランスジェニックマウス作製が翌年度になったことによる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療の規制と安全性評価2019

    • 著者名/発表者名
      内田恵理子、山下拓真、小野竜一、内藤雄樹、井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 50 (9) ページ: 513-522

  • [雑誌論文] ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療の開発動向2019

    • 著者名/発表者名
      内田恵理子、平松直人、犬飼直人、岩井謙一、渡辺武志、川崎秀吉、田村幸太朗、土屋貴穂、吉見英治、高橋則彦、伊藤辰哉、藤本和則、山下晃人、小野貴士、高木観、小野竜一、内藤雄樹、井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 50 (8) ページ: 443-453

  • [学会発表] Percellomeプロジェクトから見えてきたエピジェネティクス影響2019

    • 著者名/発表者名
      小野竜一、相崎健一、北嶋 聡、菅野 純
    • 学会等名
      第45回日本毒性学会学術年会
    • 招待講演
  • [学会発表] Evaluation of exosomes as toxic biomarkers in mouse2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono, Yusuke Yoshioka, Yusuke Furukawa, Takahiro Ochiya, Satoshi Kitajima, Yoko Hirabayashi
    • 学会等名
      15th International Congress of Toxicology (ICTXV)
    • 国際学会
  • [学会発表] Molecular Basis of the 'Baseline Response' and 'Transient Response' Observed in the Newly Designed Repeated Dose Study: Epigenetic Modifications2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono, Satoshi Kitajima, Ken-ichi Aisaki, and Jun Kanno
    • 学会等名
      Gordon Research Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Exosome-mediated horizontal gene transfer: a possible new risk for genome editing2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono, Yukuto Yasuhiko, Kenichi Aisaki, Satoshi Kitajima, Jun Kanno, and Yoko Hirabayashi
    • 学会等名
      55th Congress of the European Societies of Toxicology
    • 国際学会
  • [学会発表] Exosome-mediated horizontal gene transfer: a possible new risk for genome editing2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      第78回 日本癌学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] EV を介した遺伝子水平伝搬によるゲノム進化の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      第6回日本細胞外小胞学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Extracellular vesicles-mediated horizontal gene transfer: a possible new risk for genome editing2019

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      第1回アジア環太平洋細胞外小胞学会学術集会
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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