研究課題/領域番号 |
18K19319
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
河村 幸男 岩手大学, 農学部, 准教授 (10400186)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 低温馴化 / 植物 / 冬季感知 / 温度ノイズ / 季節情報 / 機械学習 |
研究成果の概要 |
植物の低温馴化の分子メカニズムに関する研究は、単純な人工環境で行われてきたため、依然、野外での季節感知メカニズムは全くの未知であり、推測の域を出ていない。本課題では、まず、野外での凍結耐性の変遷と気象データを合わせ、機械学習による解析を行ったところ、野外の馴化では植物は日長では無く温度変化を鋭敏に読んでいる可能性が示唆された。また、それぞれの温度域で特徴的な馴化制御がある可能性がRNA-seq解析から明らかとなった。一方で、秋から冬にかけての平均的な気温変化を再現した人工気象器を用いた実験により、フィトクロムを介した日長による馴化制御は12月以降の真冬のみに生じている可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
植物生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、野外データと気象データを組み合わせ、また、機械学習も導入することにより、植物は温度に対し鋭敏に対応し、温度域により低温馴化制御のメカニズムが異なることが明らかに出来た。野外実験では気象データを含む膨大なデータが生じるが、機械学習を用いることにより生理学的データと結びつけられ、生理変化をもたらす野外環境の因子を特定できる可能性を示せたことは、本研究の大きな成果であった。また、これまで日長や光質の季節変化も植物の冬季感知に用いられている可能性が指摘されていたが、野外実験や野外を再現した人工気象器を用いた実験により、これらの可能性が低いことが示せたことも学術的な意義が高いと考える。
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