研究課題/領域番号 |
18K19336
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加賀谷 勝史 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員 (00580177)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | リザバーコンピューティング / トラッキング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は口脚類(シャコ)における外骨格がばね駆動の超高速運動をすることに着目し、その外骨格ばねシステムの情報処理能力を物理リザバーコンピューティング(PRC)の枠組みで明らかにすることである。そのための実験装置を作成してきた。具体的には、対象(とりだした捕脚)に任意のパルス状の系列入力を行い変形させ、その変形応答を状態として特定の出力(たとえば遅れのあるパルスとするタイマー)の模倣の精度でその入出力関係の能力、すなわち情報処理能力が定量される。しかし、2020年度は新型コロナウイルスの世界的な蔓延によりシャコの入手が困難になってしまった。そこで方向転換をはかった。
リザバーコンピューティングのリザバーの部分はリッチなダイナミクスであればよく様々な物理系に代替可能である。本提案ではシャコをその具体的な対象としていたが生体組織がどのようなダイナミクスをもっているかというより広く射程をとって方向転換をはかった。具体的には、すでに撮影ずみのシャコのハイスピード映像のトラッキング、タコ腕のようなしなやかな物の中心線のトラッキングの研究をすすめた。後者においては論文成果として発表することができた。動画から対象の位置情報(状態)を得るため、従来問題であったセンサーの硬さがやわらかい対象系の邪魔をするという問題が解決された。ソフトウェアができたことに加えて、開発したソフトウェアで生体組織で構成するPRCというより広い観点での研究の展開をしつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの世界的流行によりシャコの入手が困難となったことが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
生体組織におけるPRCの可能性というより広い視野から、入手できる生体タコでの情報収集を行っていく。また、シャコについては流通が徐々に回復してきたのでそのデータ収集も行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により水産動物の流通をふくめ入手が困難となったため研究活動の方向転換をした。今後その入手状況に合わせて柔軟に対応したい。
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