研究課題
本年度はこれまでに入手しているベトナム産キクガシラコウモリ類R. thomasi、R. marshalli、R. pusillus、R. pearsoni、R. simanensis, R. luctusの胎児の比較発生学的研究を行った.特に耳小骨の形態形成を詳細に把握するため,マイクロフォーカスX線CTをもちいた三次元形態解析を行った.特に,CT画像を用いて耳小骨の系統進化の検討を進めるとともに,頬骨広頚筋、前耳介筋の付着、神経分布を肉眼解剖によって記載した.また,日本産のR. ferrumequinumの胎児を入手するため関連許可を取得のうえ新潟県において野外捕獲を進め,研究に十分量の胎児標本の入手に成功した.
1: 当初の計画以上に進展している
コウモリ類の発生に関する論文の発表が順調に進んでおり,研究遂行も順調に進んでいる.
形態学的分析はほぼ計画通りに進行している.本年度は耳小骨形態の機能分析を行うため,共同研究者の協力を得て,耳小骨運動のモデリングおよび筋運動時の神経制御機構の解明を目指す.
本年は免疫組織化学的分析は行わず,その他の研究費で購入・導入したマイクロフォーカスX線CTによって耳小骨の三次元的撮影および三次元再構築を主に行い,データの蓄積に注力した.マイクロフォーカスX線CTはランニングコストが不要であるため研究費に未使用額が発生した.来年度は本来予定していた免疫組織化学的的実験および野外実験を計画しており,多くの研究費が必要になると想定しており,本年度の未使用額を用いて研究が行えると期待している.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)
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