研究課題/領域番号 |
18K19359
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小薮 大輔 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60712510)
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研究分担者 |
飛龍 志津子 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70449510)
小林 耕太 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40512736)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 耳小骨 |
研究実績の概要 |
挑戦的萌芽研究の研究計画に従い、ベトナムAn Gaing省で野外調査を行った。耳小骨Xを有す哺乳類群Aと耳小骨Xを有さない、A群に近縁な哺乳類群Bを野外で観察し、耳運動およびエコロケーション行動、音声発声のシーケンスを取得した。哺乳類群Aは音声発声時に高速で反射音源に向かって左右の耳介を交互に振ることが知られているが、耳小骨Xはこの左右の振りの際に耳介をより微細に運動制御するためのシャフトとして機能すると予測される。耳小骨Xを覆う皮膚は薄いため外表からもその位置を確認することは容易であることがわかっている。そこでベトナムにて捕獲した哺乳類群Aの個体の耳小骨X部の外表および耳介の輪郭に塗料を塗付し、ハイスピードカメラによって耳介の高速運動を記録した。塗料の塗付部をランドマークとすることで三次元的な運動解析を行い、耳介運動時の耳小骨Xの運動寄与を把握できる。さらに音声発声のシーケンスを同時に計測することで、耳小骨Xの運動タイミングも把握した。 当初の予定では耳小骨Xを有す哺乳類群Aと耳小骨Xを有さない、A群に近縁な哺乳類群Bをベトナムで胎子の採集を行い、耳小骨Xの発生過程の分析を進める予定であった。しかし、野外調査期間内に妊娠している哺乳類群Aの捕獲が十分に成功しなかった。繁殖時期にあたるはずの期間をターゲットに捕獲を試行したが、気候変動により出産時期がかなり早まっており、捕獲できた個体のほとんどは出産済であった。必要十分な胚を収集することができなかったため、本課題は延長を行い、来年度に再試行を期す。来年度に再度妊娠個体の収集を目指し、発生遺伝学的な研究を展開する。 また、チェコで行われた国際脊椎動物形態学会ではシンポジウムを主催し、各国の研究者と情報交換を行った。またタイで行われた国際コウモリ研究会議に参加し、研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では耳小骨Xを有す哺乳類群Aと耳小骨Xを有さない、A群に近縁な哺乳類群Bをベトナムで胎子の採集を行い、耳小骨Xの発生過程の分析を進める予定であった。しかし、野外調査期間内に妊娠している哺乳類群Aの捕獲が十分に成功しなかった。繁殖時期にあたるはずの期間をターゲットに捕獲を試行したが、気候変動により出産時期がかなり早まっており、捕獲できた個体のほとんどは出産済であった。必要十分な胚を収集することができなかったため、本課題は延長を行い、来年度に再試行を期す。
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今後の研究の推進方策 |
来年度に本課題を延長し、新年度に改めて妊娠個体の野外捕獲を目指す。気候状況を細かくモニターし、捕獲期間を長めに取ることによって確実に妊娠個体の野外捕獲を期す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究課題期間内に妊娠コウモリの捕獲が十分に成功しなかった。繁殖時期にあたるはずの期間をターゲットに捕獲を試行したが、気候変動により出産時期がかなり早まっており、捕獲できたコウモリのほとんどは出産済であった。そのため来年度に再度現地にて実験を行う予定である、助成金は主に現地調査費に当てる予定である。ただし、コロナによって渡航が困難な場合は、国内での実験経費に当てる。
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