研究課題/領域番号 |
18K19365
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
関本 弘之 日本女子大学, 理学部, 教授 (20281652)
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研究分担者 |
池谷 仁里 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (30531579) [辞退]
西山 智明 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 助教 (50390688)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | ミカヅキモ / アオミドロ / 転写因子 |
研究実績の概要 |
本研究は、アオミドロなどの糸状性の多細胞体制をもつ種と二次的に単細胞に進化したヒメミカヅキモなどの種を含むシャジクモ藻綱ホシミドロ目に注目し、多細胞体制の維持と機能分化に関わる転写因子を特定し、複雑な細胞分化を遂げた陸上植物への進化において原動力となった要因を提案することを目的としている。 糸状性のアオミドロSpirogyra parvulaについて、生活環制御を可能にするべく、条件検討を行い、接合誘導を可能とした。また、この株からゲノムDNAを抽出し、得られたショートリードデータをアセンブルした結果、ゲノムサイズが約50 Mb程度であると推定された。さらに、アセンブルされたゲノムから予測された15042遺伝子の中から、273種の転写因子遺伝子の存在を見出した。さらに有性生殖期および栄養生殖期の細胞から3回独立にRNAを抽出し、比較transcriptome解析を行ったところ、有性生殖期に4倍以上発現上昇した遺伝子を47種、1/4以下に発現量が低下した遺伝子を20種見出した。発現上昇した遺伝子の中には、世代交代制御に関わるKNOX遺伝子、BELL遺伝子などが見られた。また、被子植物において、非常に多様化している遺伝子ファミリーであるMADS-box遺伝子も有性生殖期に発現上昇する傾向を示した。 ヒメミカヅキモについては、KNOX、BELL、YABBY、およびMADS-box遺伝子の破壊を進めた。MADS-box遺伝子破壊株については、プラス型およびマイナス型からそれぞれ得られ、細胞分裂が異常を示すという表現型が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒメミカヅキモのYabby遺伝子については遺伝子破壊を試みた形質転換体を取得したが、当該部分が特殊な構造を取るためか、配列決定が難航している。KNOX、BELLについては、片側の性での破壊に留まっている。アオミドロについては、必要なゲノム情報を得たが、遺伝子の比較精査はまだ不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
アオミドロのゲノム中に存在する転写因子遺伝子を、ヒメミカヅキモゲノム中のものと比較解析を行う。ヒメミカヅキモおよびアオミドロから得られた、MADS-box遺伝子、KNOX遺伝子、BELL遺伝子、YABBY遺伝子について、系統解析および逆遺伝学的解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヘテロタリックなアオミドロ株も近年得られており、それらのゲノム解読も進める予定であったが、ゲノム調製が間に合わなかった。そのため、今年度はこのゲノム解読を行う。ホモ株のアオミドロについては、ゲノム上に非常に密に遺伝子が並んでおり、遺伝子の開始部位と末端部位を同定しにくいため、CAGE解析を計画している。
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