生体には、神経・血管・代謝・免疫など、多数のネットワークが張り巡らされ、各々が様々な機能を担っている。各ネットワークは、それぞれの法則で稼働しており、生体がひとつの個体として整合性のある活動をするには、これらのネットワークを束ねるシグナルが不可欠である。脳というひとつの臓器の中にも、上記のような複合ネットワークが存在している。この多階層性の複合ネットワークの中心にいて、全てのネットワークを束ねている存在こそ、グリア細胞である。本研究では、浸透圧信号から始まるシグナルカスケードを追跡し、異種細胞間をまたがる信号の受け渡しを解析し、生体脳システムの状態を左右しているグリアの働きを明らかにした。
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