本研究では任意のシナプスを接続させる人工的シナプスオーガナイザーを開発し、神経接続の欠失により引き起こされる疾患治療への応用を目指している。NPTXファミリー分子、補体C1qおよびグルタミン受容体に対するナノボディを標的として、性状機能解析が遂行され、各分子の回路特異性・協調性、新規の受容体、結合性能が明らかとなり、新規デザインの開発が進んだ。作製の完了した興奮性人工的シナプスオーガナイザーについて、脳内分子や回路に与える影響が解析され作用の分子機構が明らかになった。また疾患治療へ応用として、脊髄損傷による運動機能障害を回復させることも明らかになり、新規治療法につながる所見が得られた。
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