• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

ハエが明らかにする「病は気から」:免疫系を制御する神経細胞

研究課題

研究課題/領域番号 18K19386
研究機関東北大学

研究代表者

倉田 祥一朗  東北大学, 薬学研究科, 教授 (90221944)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード腸管 / 恒常性維持 / ショウジョウバエ / 神経
研究実績の概要

「病は気から」と言われるように、神経系と、病に対する免疫系との密接な繋がりは、以前より推察されてきた。現に100年ほど前、昆虫を用いて神経系が免疫系に影響を与えていることが示されている。しかしその後、神経系による免疫制御に関する研究は、複雑な神経系と免疫系を持つ哺乳動物はおろか、神経系と免疫系が比較的単純な昆虫においてもほとんど進展がない。そこで特定の神経細胞を不活性化した際に、通常病原性を示さない軟腐病菌の経口感染に対する抵抗性を失う神経細胞群を探索し、NP3253神経細胞を同定した。本研究では、この神経細胞群に着目し、NP3253神経細胞群がどのような制御を受け、どのように免疫系を制御し、感染防御を行っているのかを明らかにすることを目的としている。初年度において、NP3253神経細胞を人為的に活性化し、致死性病原菌に対する抵抗性を調べたところ、NP3253神経細胞の活性化により、致死性病原菌に対する感染抵抗性が上昇することが明らかとなり、NP3253神経細胞が何らかの制御を受け、感染防御を調節していることが示唆された。そこで本年度は、NP3253神経細胞が受ける制御を明らかにするために、NP3253神経細胞において、ヘッジホッグ(Hh)の受容体であるPtcが特異的に発現していることに着目した。そして、NP3253神経細胞による感染防御の調節におけるHhシグナルの影響を調べた。その結果、NP3253神経細胞におけるHhシグナルを阻害すると、感染抵抗性が低下し、逆にHhシグナルを活性化すると、感染抵抗性が上昇した。このことから、感染抵抗性の発現における、NP3253神経細胞におけるHhシグナルの関与が示唆された。さらに、NP3253神経細胞の投射先の腸管において、神経活動依存的に発現が変動する遺伝子として、1139遺伝子を同定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Homeostasis through neural control of gut microbiota in Drosophila2020

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ishibashi, Takuro Suzuki, Naoyuki Fuse, Shoichiro Kurata
    • 学会等名
      The 8th Global Network Forum on Infection and Immunity
    • 国際学会
  • [学会発表] 神経系によるショウジョウバエ腸管免疫制御機構2019

    • 著者名/発表者名
      石橋謙太朗,鈴木拓朗,布施直之,倉田祥一朗
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第85回例会
  • [学会発表] 神経系によるショウジョウバエ腸管免疫制御機構2019

    • 著者名/発表者名
      石橋謙太朗,鈴木拓朗,布施直之,倉田祥一朗
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
  • [備考] 東北大学大学院薬学研究科生命機能解析学分野

    • URL

      http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~seimei/seimei_original.html

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi