これまでの機能性材料や医薬分子は炭素、酸素、水素、窒素をはじめとする基本的な元素で構築されてきたが、周期表横断型-縦断型の元素化学は多種多様の元素同士の無限の組み合わせにより、これまでにない機能をもたらすことができると考えられる。今回、本研究支援を基に申請者らは旧来の「求電子的」な手法に対し、「求核的」なアプローチにて芳香環をはじめとする π 共役系分子へのホウ素およびケイ素導入反応を開発し、従来法では合成することができなかった様々な骨格構築に成功した。こうして拓いた新しい化学空間は、新しい機能性材料や医薬品の探索研究に大きく貢献していくものと考えられる。
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