研究課題
がんは、我が国において死亡者数が第一位であり、有効な治療法の開発が喫緊の課題である。がんの周辺には、がんの浸潤、増殖を助ける、分化した線維芽細胞が存在することが知られている。この線維芽細胞は、がん関連線維芽細胞(Cancer Associated Fibroblast: CAF)と呼ばれ、がんの増殖や浸潤を助け、病態を悪化させる可能性が示されている。そのため、最近のがん治療開発では、がん細胞をとりまくCAFを標的とする治療戦略が積極的に進んでいる。そのためにはまず、CAFのみを判別することが可能な、目印となる細胞膜表面蛋白質(マーカー受容体)が必要となる。そこで本研究では、CAFのマーカー受容体を同定し、CAFを標的とした新たながん治療開発の基盤を構築することを目的とした。昨年度までに、大腸がんモデルマウスからコラゲナーゼ等を用いて、がん関連線維芽細胞を純度よく単離する系を確立し、分化状態の異なる、がん関連線維芽細胞に発現する遺伝子をDNAマイクロアレイにより比較、解析した。その結果、いくつかのマーカー受容体候補分子群を同定することができた。そこで、in situ hybridization法などを用いて検討を行った。最近、一細胞解析などにより、大腸がんのCAFには、さらにいくつかの亜集団が存在することが明らかとなっている。このデータベースを用いて解析すると着目した分子は、がん関連線維芽細胞の中でもある特定の亜集団に多く存在していることが明らかとなった。
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FASEB J
巻: in press ページ: in press
J.Biochem.
Medicine
巻: e15888 ページ: e15888
doi: 10.1097/MD.0000000000015888.
http://chudoku.phar.kyushu-u.ac.jp