研究課題
挑戦的研究(萌芽)
近年、新しい細胞死としてフェロトーシスが注目されているが、その発生部位などは未だ明らかにされていない。そこで、本研究では、フェロトーシスの誘導に脂質ラジカルが関与していることを明らかにすることと目的とした。その結果、脂質ラジカルがフェロトーシス誘導時に細胞膜や小胞体などに局在していることがわかった。さらに、細胞間フェロトーシスの感受性差を説明できる可能性を示した。
薬学
フェロトーシスは、全く新しい細胞死形態であるため、その原因やメカニズムはほとんど分かっていない。本研究結果から、フェロトーシスの生成部位を明確にし、細胞間での感受性差も説明できる可能性を示した。このことは、新しい細胞死フェロトーシスの本質に迫っているのは間違いなく、「酸化脂質(脂質ラジカル)が単なる酸化副生成物ではなく、生体機能維持に極めて重要である」との新たな学理の発見とともに、創薬研究等への発展も期待できると考えている。